コーラの味2020年10月17日 17:01


初めてコーラを見たのは、忘れもしない4歳のとき。
親子4人で東京に行き、上野で買いました。
それが上野公園だったのか、動物園だったのか。
うんていのような遊具がある場所でした。
でも、もしかしたらうんていに見えたものは、藤棚だったかもしれません。
とにかく自分より背の高いところに、ハシゴのようなものがありました。

父が面白がって売店から買ってきたコーラ。
4人で1本。もちろん瓶入り。
断片的な記憶はこうです。

・みんなの顔が不味そうだった
・地面に捨てた
・灰色だった
・私は飲ませてもらえなかった(おこちゃんには絶対に無理と言われた)

一瞬で、コーラは地獄の飲み物という印象が残りました。(仏教の幼稚園だったので、地獄図絵となぜか結びつく)
しかし今思うと、コーラを地面に捨てたのは要らないから捨てたのではなく、そのとき歓声が(母は悲鳴のような)あがったことから、瓶からコーラが溢れて出て、半分以上地面にこぼれてしまったのだと思います。
というのも、次の記憶の、コーラが灰色だったという記憶は、コーラの本当の色ではなくて泡の色だったのではないか。もしかしたら父が、瓶の蓋を開ける前に振ってしまったのではないかと気づいてしまったからです。(泡は灰色ではないけどね)

結論としてはこうなります。
あのとき、家族で初めてチャレンジしようと思ったコーラは、家族全員がほぼ泡しか口にしておらず、不味そうな顔をしたのも納得。
子どもごころに「もったいないことしていいのか大人が飲み物を地面に捨てて」と思ったあの行動は、実は不味いから捨てたのではなかった。
そして私に一口も飲ませてくれなかったのも、親の愛。



数年後、我が家でもファンタグレープをよく買うようになりました。
こんな美味しい飲み物がこの世にあるんだ、と思いました。
そして、アレとコレが同じ会社のものだと知ったときはショックでした。
(灰色のコーラのトラウマによる)
なので、隣り町にコカ・コーラボトリングという工場が出来たときには驚きました。
さすがにテレビがカラーになって、コーラの色が灰色ではないことはわかりました。(ますます上野で飲んだコーラの謎は深まりましたが)


大人になって、コークハイをよく飲みました。
もっと大人になってからは、ケンタッキーを食べるときはコーラじゃないとだめになりました。

半世紀以上続いた謎。
今日なんとなくスッキリしました。すごく爽やかな気分です。後味最高。
(みゃむのコーラを少しもらって飲んだしね)