桐の花・完2023年05月29日 16:15


今日、盛岡駅の近く、そうです、新幹線の高架下でとうとう桐の木を見つけました。


車は止められなかったので、少し離れたコンビニに車を置いて、
ウォーキングを兼ねて桐の木のもとへ。


遠くから見えたときは低そうだったけれど、近くに行ったら結構大きい。
しかも花が上の方にだけ咲いているので、残念ながら手が届きませんでした。

でも、去年の花の跡がすぐ目の前に。


そうよ、これこれ。
この実を振ると、中の種がカラカラとなった。

でも、種はもう落ちていて、音はしませんでした。


木の下に立っていると、あぁ、少しだけいい匂いが…。
見ると、地面に昨日の雨で落ちたのでしょうか。
桐の花がたくさん落ちていました。
なるほど、花は下から咲いていたんだ。

花びらを手に取って、鼻に近づけて見ました。

そうそう、これこれ。この匂い。


そっか、私の花の匂いの記憶は、咲いている花の匂いではなく、落ちている花の匂いだったんだ。
花を触った部分がべとべとしました。
この感触も昔のまま。べとべとは蜜なのかな。

思い出しました。
私はこの匂いが大好きで、たくさん拾ってカゴに入れた。
そして秋にはからからと鳴る実を見つけて、鳴らして遊んだ。

55年前の記憶。
この桐への執念が、今日蘇りました。

今もリビングは桐の花の甘い匂いがします。
今日はいい日だ。幸せな日。


(もっと拾ってくれば良かった…)