なんちゃってヒストリー2022年01月31日 20:14


実は私、物心がついたころから、
って、おや待てよ。物心がつくって何歳だろう。
調べてみた。
だいたい、幼児期を過ぎた頃だそうだ。
うん、だいたいその頃で合ってる。続けます。
そう、物心がついた頃から、父に言われていました。
私たちは今は〇〇という名字だけれど、本当は伊東なんだよ、と。
(伊藤、じゃなくて伊東、そこを強調していた父)
その頃は、同じ学年にちょっとカッコいい伊東君という男の子がいたので、
へへ、おんなじだ~ぐらいに思っていたのですが、
父の話では、私たちの先祖は武士だったらしい。
父の生家は宮古市の重茂半島の浜沿いにあり、漁師だったはずだけど。
戦から逃れて辿り着き、名前を変えて住み着いたのだという。
へぇ。すごいじゃ~ん。

当時のおこちゃんにはよく分からなかったし、さほど興味もありませんでした。
いつも話が大きい父だったので、もしかしたらお盆に聞かされる幽霊話の類かなと思ったり。(つまり作り話)

しかし、ある日(大人になってから)凄いことを思い出しました。
小学生だったおこちゃん、夏休みのことでした。
いたずら好きの本家の従兄のお兄さんが、「ゆうこちゃんにいいものを見せてあげる」と言って、暗い部屋に連れて行ったのです。(ちなみに従兄は健全w)
怖いもの見たさについて行くと、従兄は仏間の畳を上げました。
初めて見る、床下。
すると、そこには古い大きなつづらのような箱があり、蓋を開けると、鎧と刀が入っていたのです。(兜があったかどうかは記憶にないです)
刀(日本刀)は何本かありました。それは憶えています。
子どもだったので、とても怖くなりました。見てはいけないものを見たような。
誰にも言わないでと約束させられました。

そのことを思い出した瞬間、私は父から聞いた先祖の話が繋がりました。
お父さんの言っていたことは、本当だったんだ。

生前父にそのことを話しましたが、仏間の武具については父も知りませんでした。
もしかしたら戦争で取られる前に隠したのかな、ということでしたが、もはやその武具はどこにもなくて…。「ゆっこ、夢見たんじゃないの?」と言われても、自信がない。かといって、従兄に聞く勇気もない。
だって、誰も鎧とか刀とか、見たことないというのです。



今年はなぜか、無性に大河ドラマを見たくなりました。
好きな俳優が揃っているので、そのせいだと思っていました。(いや、おそらく理由はそれ)
だけど、第1回を見て思わず叫んだ。
あれ?この伊東って人、私の先祖じゃない?
確かに父は、源平と関係があるような言いぶりだった。
先祖のお墓が鎌倉にあると聞いたこともある。

おおおおおお、またしても繋がった!
もし私が有名人だったら、結構面白い番組になっただろう。
(『ファミリーヒストリー』)

で、最後に話さなければならないことが一つ。
あの日、そう東日本大震災の津波で、父の生家は流されてしまいました。
家族は高台から、その様子を見ていたそうです。
何一つ、残りませんでした。
しかし、しかしです。
あとでわかったことですが、先祖代々のお墓の近くに、泥まみれの刀があったそうです。どこから流れて来たのかはわかりませんが、お嫁さんは言いました。「ゆうこちゃんが言ってたことは本当だったかも。」と。