11円の親孝行2021年09月03日 20:19


そういえば子どもの頃、
母親の白髪を抜いてお金をもらったことがあります。
いわゆる「初めてのアルバイト」。
10歳ぐらいだったと思うから、母は40歳手前かな。
1本抜いて1円もらいました。

毛抜きでプチッ!
「痛い?」
「痛くないよ」
もう1本プチッ!
「痛くない?」
「痛くないよ」

おんなじ会話を繰り返していたような。
抜く作業の前に、白髪を見つけるという作業もあって、
はたから見たら、まるで猿の親子だったろうなぁ。
最初は太くて長い白髪、すぐに見つけることが出来たのですが、
だんだん見つけるのが難しくなって、結局11円もらった記憶があります。

「またお願いね」
「うん」

何度か雇ってもらいました。
だんだん毛抜きの使い方が上手くなり、そんなに時間がかからなくなりました。
もうその頃には、「痛い?」なんて聞くこともなくなって、学校の話をしながらの白髪抜き。

お金が欲しくてやったんじゃない。
きっと、あの時間が楽しかったんたな。