お友だち2018年04月12日 21:35

3年前のこと。
ある日、みゃむが教えてくれました。
「朝、バスを下りて学校に向かう途中、『それ、何ですか?』って、聞いて来る女の子がいてさ。」
「それが、この前も聞いてきて、今日も聞いてきたのさ。」
どうやらそれは白杖のことだったらしく、
みゃむは自分が目が見えないことと、白状が目の代わりになる大事な道具だということを教えてあげたそうです。
でも、それは2度や3度のことではなく、何度も同じことを聞いて来るので、
「もしかしたら、何か障がいがあるのかもね。」
ということを私たちは話していました。

しばらくすると、その女の子は白杖のことを聞かなくなり、
「今、何時ですか?」と尋ねてくるようになりました。
みゃむが音が鳴る時計で時間を確かめ、「7時○○分だよ。」と教えてあげると、
今度はその時計が気になり始めたのでしょうか。
いつも「今、何時ですか?」と聞いてくるようになりました。

しばらくして、その女の子はみゃむが通っていた学校のすぐそばにある中学校の生徒だということがわかりました。(みゃむもその中学の卒業生)
毎朝会うわけではありませんでしたが、だんだん親しくなってきて、
みゃむを見かけると走って来て「おはようございます。」と挨拶をしてくれるようになりました。

だんだん仲良くなっていくうちに、実はその女の子は学区外から通学していることがわかり、なんとみゃむと同じバスに乗っていることがわかりました。
もちろんバスは何本もあるので、同じバスに乗っていたかどうかは分かりませんが、
そうか、だからバスを下りると声を掛けられたわけだ、みゃむの謎は解けました。

次第に、同じバスに乗っているとバスの中でも声を掛けられるようになり、
二人で並んで座ってお喋りをしながら通学するようになりました。
「私ね、いつも先生に『同じことを何度も人に聞かないように』って注意されるの。」とか、
「先生は『人を指さしてはいけない』っていうんだけど、どうして?」とか、
おそらくバスの乗客は、二人の会話を微笑ましく聞いていたのではないでしょうか。
そして、お互い名前で呼び合うようになりました。
「みゃむさん、おはようございます。
「Aさん、おはよう。」

そしてこの春、Aさんが特別支援学校(高等部)に合格しました。
その学校はとても遠いので、バス通学は大変です。
どうしているかなぁ、私たちは時々思い出しては話をしていました。

そして、昨日のことです。
みゃむが中央通りでバスを下りると、近くで声を掛けてくれた男性がいました。
その人はみゃむの前の職場の同僚で、退職してからもよく声を掛けてくれていた人でした。
聞くとその人、娘さんがこの春から特別支援学校に入学したので、
一緒に通学の練習をしているとのこと。
みゃむにはその人も娘さんも見えなかったで、それぞれ朝の忙しい時間だったからそのまま別れたそうですが、あれ?なんか気になる…。

帰宅して、その人にメールしてみました。
「Aさんって知ってる?」
すると返事はこうでした。
「私の娘です。」
え~っ!
びっくり。みゃむのお友だちはみゃむのお友だちの娘さんだったのぉ~?
お父さんもびっくりしていましたが、Aさんもびっくりしたでしょう。

もう会えないと思っていましたが、
もしかしたら、また同じバスに乗れるかもね。
そして、ずっとお友だちでいれるかもね。




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